猿猴

wikipediaには

猿猴(えんこう)とは広島県及び中国・四国地方に古くから伝わる伝説上の生き物。河童の一種。

一般的にいう河童と異なる点は、姿が毛むくじゃらで猿に似ているところ。金属を嫌う性質があり、海又は川に住み、泳いでいる人間を襲い、肛門から手を入れて生き胆を抜き取るとされている。女性に化ける事ができる、という伝承もあるようである。

とある。
四万十川流域に伝わる昔話には

猿猴が馬を川に引きずり込もうとした。けれども逆に馬に引っ張られ、捕まってしまった。猿猴が泣いて詫びるので許すと、翌朝から戸口の鉤に魚が吊り下げられるようになった。

とある。
中国明朝の李時珍が記した『本草綱目』では、中国南西部に棲息していた手長猿《援の手へんを獣へんに変えた漢字(ユエン)》の長い腕は左右に一本につながっていて、一方を伸ばすと他方が縮むとされる。これが日本に伝わったものであるか。
水に映った月を愛しいと思い、獲ろうとして溺れた風流な故事があり、屏風絵や掛け軸の画題に好んで採り上げられる。「猿猴が月」、「猿猴月を取る」という。長谷川等伯筆「枯木猿猴図」(こぼくえんこうず)「猿猴捉月図」(えんこうそくげつず)などが有名。
故事:「僧祇律−七」 猿たちが井戸の中の水に映った月影を取ろうとして、手と尾を結んで井戸に降りていったところ、枝が折れて皆溺れ死んだ。
出典:摩訶僧祇律(まかそうぎりつ) 仏説中の彼は、浮世の浅はかな欲望を追う人間を象徴している。
ちなみに月経の隠語でもある。

  • えんこうに娘赤面初の月
  • 猿猴と知らず炬燵で手を延ばし
  • 猿猴の月に手を出す新(アラ)所帯
  • 猿猴へ手を出し亭主ひっかかれ